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雪の結晶のレプリカ作成 UV樹脂 [DIY]

2019年の冬に念願の雪の結晶のレプリカを作ることができたので、記録します。


場所は茨城県南部。2月に降った雪をレプリカにしました。暖かい関東でも雪の結晶のレプリカを作れる方法です。


雪の結晶レプリカ_5456.jpgUV樹脂による雪の結晶レプリカ


 

雪の結晶のレプリカとはプレパラートを作るのと同じように、雪の結晶を樹脂で固めるというもの。雪は当然溶けて蒸発して消えてしまいますが、雪の結晶の跡は樹脂によって残る。常温でも雪の結晶が観察できるという優れた方法です。

 

詳しくは 「雪の結晶観察ノート」というSatoshi YanagiさんのWebサイトを参考にしました。http://www1.odn.ne.jp/~abg00040/index.html

 

今回、樹脂はUVレジンを採用しました。最近のレジンブームのおかげで、性能の良いUVレジンが出てくるようになりました。UVレジンとはUVライトを照射すると硬化する樹脂を指します。成分はアクリルやエポキシ系など各社様々あるようです。

雪の結晶のレプリカ作成で最も重要なのは、UVレジンが低粘度であることです。

どのUV樹脂でも温度がとても低い状態で扱うと粘度が常温より上がるため、操作しにくくなります。可能な限り低粘度のものを用意しましょう。

なお、アロニクスLCR0208という製品を使用した雪結晶レプリカの作製方法がSatoshi YanagiさんのWebサイトで紹介されているのですが、肝心のアロニクスLCR0208が2018年12月現在製造していないことがわかりました。実に残念です。

散々代替品を探して、ルスターグロス製の 艶 UV009 シリコンモールド型用 UVクラフトレジン ハードタイプ を採用してみることにしました。シリコンモールド用というだけあって、低粘度で扱いやすかったです。アクラレートプレポリマーが主な素材とのこと。LEDのUVライトで1~2分という短い硬化速度も重要かと思われます。


さて、樹脂は用意できました。


ついでにUVライトも買いました。


VANSKY 51LED紫外線ブラックライトを買いました。単三電池3本使用するタイプで割と安定して使えました。


単三電池1本のタイプは2種類くらい過去に使いましたが、電池の持ちが悪いのか、接触不良なのか、すぐチラついてしまい、使い勝手がすごく悪かったです。今回買ったのは電池3本なので割と安定しているようです。


 



あと、安全上重要な保護具として、UVカットゴーグル。(株)サウスウォーカーのUV-CG01CがLED紫外線ライトの紫外線(主に長波長のUV)を約99%カットしてくれるらしいので、おススメです。ゴーグルなので、メガネの上から着用できます。


 




作業風景。

 


th_IMG_5448.jpg


 


他に必要な道具として、


保冷剤(冷凍庫で冷凍したもの)


氷入り塩水(氷水に塩を入れると融点が0℃からマイナス数℃まで下がる現象を利用)


雪の捕捉用の黒い布。


雪を持ち上げるための先細りピンセット。


 


写真にあるように、UVレジン液を塩入り氷水に入れて、急冷します。レジンボトルをくるくる回転させるととても早いスピードで冷やすことができます。この辺はアイスクリーム作りや缶ビールを氷で急冷する方法を参考にしました。


 


保冷剤は冷凍庫の中で-4℃程度に冷やされているので、雪が溶けることなく、樹脂で固める作業ができます。


 


 


th_IMG_5449.jpg


今回、UVレジン 艶UV009は,0℃付近まで冷やすと、はちみつぐらいの粘り気のある粘度を持つ事がわかりました。


もっとさらさらの低粘度レジンが欲しいところです。


とは言え、今あるレンジでなんとかするしか無いので、プラスチック板の上にレジンをのせて、さらにその上に雪の結晶を乗せるという方法でレプリカ作りをしてみました。


 


th_IMG_5450.jpg


黒い布の上にパラパラと雪が積もります。


これをピンセットで持ち上げて、UVレジン液の上にのせます。


レジン液は十分冷えているので、何個か雪を乗せる時間はあります。


あとは、強力なUVライトで一気に硬化させます。


 


th_IMG_5451.jpgth_IMG_5452.jpgth_IMG_5457.jpgth_IMG_5458.jpgth_IMG_5459.jpgth_IMG_5460.jpgth_IMG_5461.jpgth_IMG_5472.jpg


 


2mm~3mm程度の雪の結晶が観察できました。ちょっと珍しい?針状の雪の結晶(最後2枚の写真)も観察できました。


今回は、予め塗ったレジンの上に雪の結晶を乗せる方法でした。これでも、雪の自重で雪がレジンの中に沈んで埋没するものもありましたが、板状に成長した結晶は埋没困難でした。埋没しなくても、レジンに接触している面はとても綺麗に硬化してレプリカを作れました。


次回はもっと粘度の低いUVレジンを探して(ルスターグロス 艶 UV008 が低粘度らしい)、埋没に挑戦してみようと思います。


あと、プラスチック製のスライドグラスと、カバーグラスがケニスで販売しているようなので、ちゃんとした雪の結晶プレパラートを作ることができそうです。


プラスチック製は怪我しにくいのが利点ですし、切って加工して他のレジンアートに利用しても面白そう。


 


 




 




 


 おまけ


雪の結晶に細かい氷の粒がくっついて成長したアラレ状雪が観察されたので、写真を載せます。ちなみにルスターグロスUV009を薄く塗りつけた板の上に霰状雪を乗せると、毛細管現象で樹脂が吸い上げられて隅々まで浸透することがわかりました。


雪の結晶レプリカ_5484.jpg樹脂浸透中


雪の結晶レプリカ_霰状雪_5474.jpg霰状雪が綺麗に固まりました。


雪の結晶_霰状雪_5479.jpgこちらは、樹脂で固める前の雪。


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うにまる

初めまして。
雪の結晶のレプリカ作りについて調べていてこちらにたどりつきました。1月に北海道へ行くので挑戦したいと思っています。こちらの記事が大変詳しく、参考にさせていただきたいです。その際、私のブログにこちらのページのリンクを貼らせていただいても大丈夫でしょうか?
レジンの種類などの詳細、本当にありがたいです。あとは上手くできるよう天に祈る思いです。
by うにまる (2022-12-29 17:37) 

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