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エアリースパイラル四重巻き [エアリースパイラル]

エアリースパイラル(Airy's spiral)原型である、四重巻きの写真が撮れました。エアリーさんは1831年にこの渦巻きを最初に研究・発表しました。
2枚の偏光板の間にc軸に垂直に薄く切った右水晶と左水晶の板を重ねることで四重巻きのスパイラル模様が観察できます。
私は、それを再現しました。

image-20150429074808.png
①左巻き(反時計回り)


image-20150429074821.png
②右巻き(時計回り)


右巻き左巻きは、2枚の水晶の順番を入れ替えることで変えられます。
①左巻きは、手前に右水晶、奥に左水晶の順です。
②右巻きは、手前に左水晶、奥に右水晶の順となっています。

つまり、2枚の水晶のうち、手前の1枚は1/4波長板と同じような働きがあると思われる。
1/4波長板とは、元々は雲母の薄い板のこと。水晶同様の旋光性を持つ。180°の1/4の角度を曲げるから、1/4波長板という。
下記の順で並べると、1つの水晶玉(水晶板)の2重巻きエアリースパイラルが観察できる(エアリースパイラルと言えばこの方法)

2重巻きのエアリースパイラル観察法

光源→偏光板→水晶玉(水晶板)1/4波長板(白雲母板)→偏光板→観察者

今回の4重巻きエアリースパイラルは1/4波長板の所を水晶板に変えたものである。


四重巻きのエアリースパイラル観察法

①左巻き(反時計回り)
(奥側)光源→偏光板→水晶板(左水晶)水晶板(右水晶)→偏光板→観察者(手前側)

②右巻き(時計回り)
(奥側)光源→偏光板→水晶板(右水晶)水晶板(左水晶)→偏光板→観察者(手前側)


今回使用した水晶板は直径約4cm、厚さは4mmで、株式会社マルヤマ宝飾にて六角柱水晶原石からカット&研磨してもらったものだ。原石は、ブラジル産の白水晶で、結晶面から右水晶、左水晶を判断して用意した。
カメラはiPhone 5Sで撮影した。前回のブログで、カメラの焦点距離が干渉圏の大きさと比例関係であることを報告した。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2015-04-12
同様にエアリースパイラルでもカメラの焦点距離と比例関係があると推測されるので、焦点距離の短い広角なiPhoneを選んだ。

発展として、
水晶玉(直径1cm)と水晶板の組み合わせで観察してみた。

光源→偏光板→水晶板(右水晶)水晶玉(左水晶)→偏光板→観察者

IMG_2097.JPG
水晶板と水鳥玉の組み合わせによる4重巻きエアリースパイラル

小さい・・・

拡大してみると
水晶球4重エアリースパイラルbyiPhone.jpg

見事な右巻き4重巻きエアリースパイラルです。
水晶板の右水晶の性質により、右巻きとなっています。
今回も、手前側の水晶玉が1/4波長板と同じような働きをしました。
肉眼では細かい干渉も見えるのですが、iPhoneの解像度でははっきり写っていないですね。

ちなみに、水晶板と水晶玉の順を逆にしてみましたが、残念ながらエアリースパイラルは観察できませんでした。おそらく、水晶玉の干渉圏が小さく、水晶板の干渉圏が大きすぎて、それぞれの光の波長同士の混ざり合い(干渉)が起こらなかったと推測される。

ちなみに、同じ大きさの水晶玉の右水晶と左水晶を重ねると、4重巻きのエアリースパイラルは観察されずに、暗くなる。
水晶板の4重巻きエアリースパイラルも中心部分は暗い。偏光板を直交した場合は暗くなるが、平行にすると白くなる。白いということから、おそらく光源の光がそのまま通過しているのだろう。

水晶玉同士の消光.jpg
右水晶、左水晶の水晶玉をそれぞれ重ねたところ、中央の干渉圏が暗くなった。(偏光板を直交して配置した場合)




関連記事
1回目:PCモニターと3Dメガネで水晶球のエアリースパイラルを観察しました。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-05-25
2回目:iPhoneを光源として、縦型のエアリースパイラル観察方法を提案しました。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19
3回目:水晶玉のエアリースパイラル観察 3Dメガネだけで観察!http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19-1
4回目:1/4波長板の位置でエアリースパイラルの向きが逆転してしまう。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19-2
5回目:レンズの焦点距離と水晶と偏光板で観察される干渉圏の半径との関係 http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2015-04-12
6回目:エアリースパイラル4重巻き(水晶板のエアリースパイラル) http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2015-04-29

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エアリースパイラルの大きさ [エアリースパイラル]

速報

エアリースパイラルの大きさを決める要因を発見した。
水晶板のエアリースパイラルもしくは偏光板による干渉色の円を撮影する際、カメラによっては水晶板の中にエアリースパイラルや干渉色の円が見つからない場合がある。
まして、直径4cmくらいの水晶板に焦点を合わせながら、エアリースパイラル、干渉色の円を水晶板の中におさまるように撮影するなど不可能だ。
しかし、エアリースパイラルや干渉色の円を観察および撮影に挑戦しているうちに、円の大きさが変化することに気づいた。

エアリースパイラルや干渉色の円の大きさに比例関係を持つ要因は、レンズの焦点距離だ。
レンズには、45mmとか、100mmなど焦点距離が書かれている。ズームレンズは15-45mmといった焦点距離をかえられるレンズだ。要は、レンズと撮像素子(フィルム)までの距離のこと。

エアリースパイラルや干渉色の円の大きさを小さくしたければ、焦点距離を小さくする。
逆にエアリースパイラルや干渉色の円の大きさを大きくしたければ、焦点距離を長くする。

推測だが、撮影素子(フィルム)の大きさも関係する可能性がある。一般的なレンズよりも、焦点距離が短い肉眼ですら、エアリースパイラルや干渉色の円を直径4cmの水晶板の内側に見いだすにはかなり水晶板を目に近づけなければならない。
つまりは、画角の問題と思われる。

私が普段使っているカメラはオリンパスOM-D。マイクロフォーサーズ規格だ。フルサイズと比べ、撮像素子は半分。焦点距離はフィルム換算すると常にレンズに表示されている値の2倍になる。

ちなみに、マイクロフォーサーズ規格の不レンジバック(カメラ本体前面と撮像素子の間の距離)は19.3mmとのこと。

話がそれました。

直径4cmの水晶板にエアリースパイラルや干渉色の円をおさめるのに適した焦点距離は少なくとも9mmより小さい物が良い。
OLYMPUS Tough stylus TG-3が焦点距離4.5mmでかつ、カメラと被写体が1cmまで近よってもピントがあうので、おすすめ。


なぜ、エアリースパイラルや干渉色の円の大きさがレンズの焦点距離に比例しているのかは、分からない。物理学者なら、うまく式を組み立てて説明してくれるだろう。


エアリースパイラルの大きさについて言及している論文は下記の通り。









水晶ポイントのエアリースパイラルの観察 (大場 茂・向井知大)





抜粋

こんどは,図 5(a)の配置で,偏光板を置いたライトパネルから水晶の底面までの距離 L を,
0 から 45 cm ぐらいまで順に大きくして,干渉像を撮影してみた。その結果,エアリースパイ
ラルの中央の円弧の大きさや縞の間隔は変わらず,L が長くなると写真に写るライトパネルの
面積(つまりエアリースパイラルの見える範囲)がせまくなっただけであった。このことから,
光源および偏光板と水晶との距離を変えても,エアリースパイラルの形や色にはまったく影響
しないことがわかった。 









 















 要約すると、水晶と、光源、偏光板それぞれの距離はエアリースパイラルの大きさには無関係である、と書かれている。

では、エアリースパイラルの大きさを決めている要因は何か?

私の結論としては、少なくとも、焦点距離とエアリースパイラルの大きさは比例関係である。

推測ではあるが、エアリースパイラルの大きさは画角で決定づけられる。

上記をふまえると、水晶球のエアリースパイラル観察では、水晶球のレンズ効果は、超広角レンズとしての効果だと思われる。球体だと凸レンズだと思われがちだが、ピントを無限遠にした場合は、完全な広角レンズなのだ。

話は変わるが、水晶がブラジル式双晶となっていた場合、右水晶と左水晶が水晶内部で複雑に配置してしまい、エアリースパイラルが不鮮明になる場合がある。場合によっては干渉色の円も失われる可能性がある。ドフィーネ式双晶の場合は水晶内部でゆがんで同じようにエアリースパイラルが崩れる可能性がある。

色々確認してみたい所だが、水晶板を得るには少々お金がかかるので、ゆっくりと挑戦してみたい。




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4回目:1/4波長板の位置でエアリースパイラルの向きが逆転してしまう。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19-2
5回目:レンズの焦点距離と水晶と偏光板で観察される干渉圏の半径との関係 http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2015-04-12
6回目:エアリースパイラル4重巻き(水晶板のエアリースパイラル) http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2015-04-29





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エアリースパイラル観察 逆転敗北の例 [エアリースパイラル]

エアリースパイラルの観察でやってはならないことがあります。
それは・・・1/4波長板を光源側の偏光板と水晶玉の間に置いてしまうことです。

まずは、正しいエアリー観察図をご覧下さい。
装置図.jpg

【光源→偏光板→水晶球→1/4波長板→偏光板→観察者】
これが正しい観察装置です。
これで、右水晶のエアリースパイラルを観察するとこうなります。
P6170022_tri.jpg
中心から外に向かって時計回りですね。(右水晶を正常に観察)


しかし、もし、1/4波長板を光源側の偏光板と水晶玉の間に置いてしまったら・・・
逆エアリースパイラル装置図.jpg
こんな感じになってしまうと、スパイラルにも影響します。
reverse_tri.jpg
これ、スパイラルが逆転しています。半時計回りになっています。(右水晶を観察)

もし、右水晶と左水晶をスパイラルの向きで判定しようとする場合、1/4波長板の位置に注意しましょう。


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水晶玉のエアリースパイラル観察 3Dメガネだけで観察! [エアリースパイラル]

前々回、PCモニターと3Dメガネで水晶球のエアリースパイラルを観察しました。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-05-25
そして、前回、iPhoneを光源として、縦型のエアリースパイラル観察方法を提案しました。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19

続いて、今回はiPhoneを光源として、2個の3Dメガネを使用して、エアリースパイラルを観察してみました。
良く、映画を観に行くのですが、つい3Dメガネの持参を忘れて、現地で買ってしまうので3Dメガネが余るので、再利用します。

P6170032_tri.jpg
1. 3Dメガネを二つ用意します。(あるいは、1つの3Dメガネの各レンズを外します。)


P6170037_tri.jpg
2. 二つの3Dメガネのレンズを重ねた時、真っ暗になる組み合わせを探します。(角度、裏表を変えてみよう)
3Dメガネの片方は光源(iPhone)の上に乗せ、もう一つのメガネは手に持っていてください。
Point: 真っ暗になる組み合わせを見つける(もし、見つからない場合、その3Dメガネでは水晶のエアリースパイラルは観察できない可能性があります。諦めた方が良いでしょう。)
(真っ暗になるということは、偏光板2枚を直交させた状態に等しい)

P6170045_Tri.jpg
3. 1つ目の3Dメガネの上に、ガラス台と、水晶玉を乗せる。手に持っているメガネをかざし、3Dメガネ同士が真っ暗になる条件のまま、水晶玉を回して緑と赤のリング(干渉像)を探します。

P6170046_tri.jpg
4. 手に持っている方のメガネの裏表を逆にします。(ひっくり返す)
すると・・・

P6170055_tri.jpg
エアリースパイラルが観察できました。
この水晶はあらかじめ、右水晶だと分かっています。スパイラルが中心から外に向かって時計回りであることから右水晶のエアリースパイラルと一致しています。

この方法は、3Dメガネの構造を逆手に取った観察方法です。3Dメガネに偏光板と1/4波長板の両方が1枚ずつ貼られているところがポイントです。1/4波長板は2枚の偏光板の間にさえ存在しなければ、手順2.のように偏光板の性質が現れます。(この時、1/4波長板は光源側と、観測者側に向いており、実質的な意味をなさない)
そして、手順4.の様に観測者側に近い方のメガネの裏表を逆にすることで、2枚の偏光板の間に1枚の1/4波長板を置く構造になります。すなわち、下図の様になり、エアリースパイラルを観察できるのです。
装置図.jpg


さあ、いかがでしょう。3Dメガネのみで、水晶球のエアリースパイラルを観察できました。
出来るというだけで、きちんと偏光板と1/4波長板を用意して追試(確かめ実験)を行った方が良いでしょう。

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水晶玉のキラリティー(旋光性)観察 [エアリースパイラル]

水晶玉とガラス玉を見分けるにはどうしたら良いだろう。
比重(同体積での重さは物質によって異なる)を計算する、比熱の(熱の伝わり易さの)違いを指先で感じ取る、などいろいろある。
今回は、水晶の持つ旋光性(せんこうせい)を利用して、ガラス玉とを見分けてみた。
旋光性とは、比喩を用いて簡単に言えば、光をボールを回すように回転させることだ。この回転させると言っても、360°の内、X°回転するという意味である。
何度回転させるかは、物質によって異なっており、さらに物質の厚さによっても異なる。そもそも回転させる物質そのものがかなり限られている。どんな物質が旋光性を持つかと言うと、とても専門的なのだが、キラルな分子を持つ物質が旋光性を持つのだ。この辺を説明すると、長過ぎるので省きます。

大事なのは、水晶が旋光性を持つ物質で、ガラスは旋光性を持っていないということである。
さらに、水晶の結晶はキラルな分子を持つため、結晶の立体構造が右手左手の関係のような2種類の構造が存在する。水晶は2種類の旋光方向が存在する。しかも、右水晶、左水晶それぞれの旋光性については、既に論文で判明している。

前置きが長くなりましたが、水晶の旋光性を調べるには、道具が必要です。

偏光板2枚、1/4波長板1枚。

偏光板は、安く売っていますが、1/4波長板はやや高いです。いずれもamazonで購入できます。便利な時代ですね。
私も、念のために購入しました。
念のため・・・というのも、これらは身近な製品に使われていたりします。

まず、偏光板・・・PC液晶モニターに使われています。(iMac 27inch 2012)
次に、1/4波長板+偏光板(2枚目)・・・3D映画用メガネ(300円or400円で購入。電池の要らないやつ)(www.reald.com)



ちなみに、こんなセットも売っています。

かんたん水晶鑑定セット

かんたん水晶鑑定セット







あとは、ガラス玉と水晶玉を観察。

観察方法・・・
①PCを起動
②PC液晶モニターの画面を可能な限り真っ白に。例えば、テキストエディッタなどの白紙の画面を大きくするなど
③3Dメガネを装着。片目を閉じる。
④PCと3Dメガネの間に水晶玉もしくはガラス玉をかざす。
⑤玉を回してみて、水晶にしか見られない虹の渦(エアリースパイラル)を探す。

これだけ!

では、人間の目の代わりにカメラをセットした結果を見てみましょう。

まずは。3Dメガネをしない状態では。
th_P5251287.jpg

うん、大きい玉と小さい玉があるだけでどれがガラスか水晶かなんて分かりません。

では、3Dメガネ装着!

th_P5251288.jpg

むむ、小さい画面だと分かりづらいけど、大きい玉と小さい玉では様子が違うぞ。
拡大してみよう。

kakudai.jpg

左がガラス。右が水晶。水晶にはみごとな虹の渦が観察できる。
さらに右の水晶は渦の中心から外に向かって、左回り(反時計回り)。対して、左下の水晶は逆の右回りである。
左回りは左水晶、右回りは右水晶であることがわかっている。水晶玉が元々右水晶か、左水晶かを見分けることが出来るのである。

おまけ①

今回の撮影の為に水晶玉を1.2 cmを9個用意した。
これらの水晶の右左を調べたところ、右水晶:左水晶=6:3であった。
自然界では、右水晶と左水晶の割合は五分五分で等しい。
今回は9個と少なかったので、数にかたよりが生まれたようだ。1000個くらい調べれば五分五分であることが分かるだろう。

おまけ②

せっかく、amazonで、偏光板を買ったので遊んでみた。
水晶とガラス玉を見分けるのは別に1/4波長板は必要ではありません。偏光板2枚あれば十分です。
では、偏光板2枚での結果は・・・

th_P5251292.jpg

十字がいっぱい!
この黒い十字はアイソジャイヤーと呼ばれています。
水晶は、アイソジャイヤーの真ん中にピンクと緑のリングが観察されました。渦ではありません。
このピンクと緑のリングは専門用語で等色線と呼ばれ、結晶の種類によって異なる色が出るそうです。
よく見ると、ガラス玉の一つにアイソジャイヤーが乱れているものが・・・どうやら、玉の形が崩れているのか、内部に何か不純物が入っていて、均一ではないことが原因見たいです。

・・・写真的には、このおまけ②が一番きれいに見えるのは私だけでしょうか?

参考文献

右水晶と左水晶の区別, Hiyoshi Review of Natural Science, Keio University No. 46, 13-41 (2009)

 

 

 

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3回目:水晶玉のエアリースパイラル観察 3Dメガネだけで観察!http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19-1
4回目:1/4波長板の位置でエアリースパイラルの向きが逆転してしまう。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19-2
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