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高温型水晶 [鉱物]

高温型水晶、高温型石英、β-Quartz、そろばん状水晶、・・・
12面体のコロっとした水晶はちょっと珍しい形の水晶として知られています。

日本では火山が多いので、1,2mm程度の高温型水晶が
軽石の砂の中に混じっていることがあります。
ときには、海岸の砂中にも水晶の粒が多量に混じって、
「鳴き砂」の原因の1つを作っているらしい。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」でも水晶の砂が表現されていたりします。

で、肝心の高温型水晶は下の画像に写ってます。一眼のカメラだと手持ちで写すのはしんどい・・・

-8ef69.jpg

んー、被写界深度が浅いのは勘弁してください。
群馬県高崎市( 旧 倉渕市 )の火山性の砂中から選り分けたもの。


12面体の水晶は大気圧下では580℃〜850℃の間くらいで結晶化したものであると言われています。
また、それ以下の温度になると結晶構造がコロっと変わって、普段目にする六角柱の結晶構造(低温型水晶,α-Quartz)になります。
でも、結晶の成長が出来なくなると12面体を保ったまま結晶構造が低温型水晶になって、私たちの手元に届くのです。
室温ではどんな形状の石英であっても全て、結晶構造としてはα-Quartzであるといえます。
人によっては、12面体の水晶はβ-Quartzの仮晶であると言う人もいます。

β-Quartzとα-Quartzは温度を調節することで可逆的に変化出来るみたいですけど、600℃の高温にしてもねえ。見た目はきっと変わらないでしょう。

火山性の砂の中に12面体の高温型水晶があると言うことは、
火山が噴火して空中で砂が形成されたと仮定(気圧が大気圧ぐらい)したとき、
その砂が形成された時の温度は580~850℃の間だったと推定できます。・・・熱っ

2009年2月2日の浅間山の噴火も火口付近で700℃近くの温度で噴出物が吹き出したのではないか、という情報もあり、意外とβ-Quartzが出来やすいのかも知れません。でも、すぐ冷えるからあまり大きく結晶が成長するのは難しいでしょう。

参考サイト
・信州大学理学部、三宅研究室、浅間火山2009年2月2日噴火における投出岩塊の温度推定の試み より http://science.shinshu-u.ac.jp/~geol/Miyake/thermo.html
・iStone、 高温型水晶 より http://www.istone.org/high-quartz.html
・Bitterroot Gem and Mineral Society より http://www.bitterrootgms.org/quartz.html

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