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LIMITS BIA POWER METER 導入してみた [自転車]

LIMITS POWER METERは、クランクアームとペダルの間に取り付けるタイプのパワーメーターです。
*2023年12月にはLimits bia power meterは破産し、購入できなくなりました。追記。

そう、パワーメーターをつけるのに機材を限定する必要は無くなりました!
ドライブトレイン周りを自由に選べるパワーメーターは他にも、ケイデンスセンサーとパワーメーターが分離しているタイプであれば、風速を利用したVerocompのpowerpodシリーズか、タイヤの空気圧を利用したAROFLY LINK A1が選択肢に挙がるとおもいます。
しかし、ケイデンスセンサー内蔵型でないと不都合なこともありますよね。
なので、私はLIMITSを選びました。
LIMITS BIA power meter B7.jpeg3CE50EFB-CEBA-4092-B855-740FDBE1A424.jpeg
利点
・一般的なペダル、クランクなら自由に取付可能!(ペダルネジサイズ9/16インチ、クランク長165mm〜180mm)*MKSのEzy Superiorを使用する場合、合計3mm以上のスペーサーが必要です。
・能動的温度補償機能あり。(使用温度範囲-10℃〜50℃)
・ケイデンスセンサー内蔵!(他メーカーではパワーメーターとは別にケイデンスセンサーが必要になることがある)
悪い点
・最初に10分間の慣らし運転を行った後に校正しなくてはならないのが面倒。(環境温度とペダル回転による摩擦熱が安定した時にゼロ点校正する。ただし、他のパワーメーターも大体同じように慣らし運転が必要)
→アマチュアの実用ではゼロ点校正しなくてもOK! 2023年6月18日追記
・2021年8月現在、左側しかパワー計測できない。
・Qファクターが片側につき18mm長くなる。(ペダルとクランクの間に取り付けるので、その分ペダルの位置が横にずれます)
・スニーカーなど靴紐がだらんと垂れる靴は絡まる危険があるのでNGです!つまり、靴の種類は少し制限されます。
→通常の自転車だって長すぎる靴紐はNGです。自己責任ですが長すぎる靴紐でなければ大丈夫。2023年6月18日追記
・専用ソフトウェアが無いので、ファームウェアのアップデートが不可。
・バッテリーは高価なSR44が2枚指定されている。→LR44でも動作は可能でした。6時間連続使用できました。2023年6月18日追記
必要機材

・パワー計測できるサイクルコンピュータ

・ペダルを取り付けるためのペダルレンチもしくは6mmor8mmアーレンキー(ペダルの取説に従う。ただし、8mmから6mmへ変換するアダプタが付属しているので8mmだけあれば何とかなる)

8mmトルクスレンチ(30-35Nm締め付け可能なモデル)

・グリス(固着防止のため)

・コイン(電池蓋の開閉に使用)


もっと早くこの商品に出会えれば良かった。

見た目重視なひと、古い機材に愛着のあるひと、ケイデンスセンサー内蔵にこだわりたいひとにおすすめです。

ペダルのネジサイズと靴紐の制限があるので、それだけ注意です。


LIMITS BIA power meter

性能表


値段:£195(195ポンド、日本円約30000円弱、送料・輸入関税別)

バッテリー: 銀酸化電池SR44 2個 ( 類似規格アルカリ電池LR44は使用しないこと)

駆動時間:80時間以上

バッテリー警告機能:2段階(25% Low, 10% Critical)

精度(ACCURACY): +/-2%

通信規格:ANT+ & Bluetooth

重量:49g (左センサー電池無し44g、センサーカバー5g、右スペーサ45gでした。電池ありで右左合わせて97gでした。)

Q-ファクター:18mm/side

防水性:IP 54( 砂埃・雨程度なら大丈夫:参照 http://www.ap-japan.jp/dcms_media/other/About_IP.pdf

スリープ機能:あり

計測位置:左側ペダルとクランクの間

対応クランク長:165mm〜180mm

使用温度:-10℃〜50℃

校正方法:10分間走行の後に校正

クリーニング方法:湿らせた布で拭く。時々クランクから緩めてスレッドに新しいグリースをぬるとなお良い。

保証:購入後1年または修理後90日のうちどちらか長い方を適用。


右スペーサと左センサーの軸は磁石でくっついたので、鉄製のようです。しかし、表面は銅メッキの上にさらにツヤツヤのメッキか塗装を施してあり、サビ対策をしています。

では、室内トレーニングのWahoo kickr 2018と走行比較してみました。

記録前に10分間慣らし走行して校正しました。

LIMITS BIA はWahoo elemnt roamにてデータを記録しました。

Wahoo kickrはzwiftで記録を取りました。

各記録はtrainingpeaksに保存され、Golden Cheetahにデータを移行し、全データをエクスポートして、エクセルにて解析しました。(Golden cheetah for mac でツールバーにActivityがあり、この中にBatch Export...があるのでこれを選ぶと一度に生データをCSV形式でエクスポートできるので、パワーメーターの比較に便利かと思います。)

 

なお、記録開始タイミングがサイクルコンピューターとZwiftで異なるので、走行終了時にパワーが0になったタイミングに合わせて時間軸を調整しています。パワーの記録頻度は1秒毎です。

 

走行データを見てみましょう。

 

limits vs wahookickr 2021_08_12.jpg

ぱっと見はいい感じですが、縦軸のスケールのせいで差が出にくくなっています。

なので、さらにデータを加工します。

次は、LIMITS BIAの値からWahoo kickrの値を引いて、Wahoo kickrからLIMITSの値がどの程度離れているかを調べました。

Difference limits and wahookickr 2021_8_12.jpg

 もし、LIMITSとwahoo kickrが同じ値なら、0になり、横軸でwahoo kickerがどんな値をとっても、理想的には0の横軸の周りに値が集まっているはずです。

実際には、wahookickrが80ワットくらいのところだと、LIMITSは+50ワットほど高い数値になってしまっています。

しかも、wahookickrで300とか、500ワットのように大きな数値になるに従ってより数値の上乗せ幅が大きくなっているようなのです。

まあ、メインは80ワット前後でしょうから、単純にLIMITSはwahookickrのより50ワットほど高くかたよっていると言えます。

ただのかたよりなら、あまり気にせず、その分だけ補正すればいいのです。

 

wahookickrが50から100ワットの間はかなりのデーター数が集まっています。単純に上下の広がりをばらつきとみなすなら、±25ワットくらいバラついてもおかしく無いように見えます。

 

ここにおけるばらつきの要因を考えてみましょう。

まず、wahookickr自身のばらつきがあります。

次に、LIMITS BIAのばらつき。

さらに、zwift、wahoo elemnt roamの通信と記録タイミングのずれなどのばらつき。

温度のばらつき。

ケイデンスセンサーのばらつき。

自転車を漕ぐ際のフォームのばらつき。

以上のようなたくさんのばらつきの要因が複合している結果、±25ワットのばらつきがあるという結果になったのだろうと思います。

だからと言って、メーカーの出している精度±2%は嘘かというと、そうでもない気がします。

なぜなら、その精度を調べるのと同じ条件で行っていないから。

例えば、同じワット数を一定に保つ装置があれば、通信と記録タイミングのばらつきを最小にできるので、極めて精度が高い結果を得られる可能性が高いと思われます。

ただ、あくまで、この商品も含め、一般に出回っているパワーメーターは目安にしましょうと説明書に書かれているのでお遊びみたいなものです。

 

その割に、パワーメーターは高い部品なので、ちょっと許せなくなることもあると思います。

いまだに、「国家標準」からトレーサブルで、不確かさの連鎖を繋いだ、不確かさ表示のある校正を行ったパワーメーターが出てこないのがちょっと残念です。

 

 精度(ACCURACY)は不確かさ(ばらつき)とかたよりを含むものと解釈できますが、一般的にはかたよりは補正済みで販売されているものと思われがちです。実際はかたよりは結構あるもので、ハッピーメーターだとか機器によって違うとかパワーメーターにはつきものです。かたよりは計測原理に依存度合いが強いので、都度、自身で補正するのが望ましいのです。

概ね、0点校正でかたよりは解消されるはずなのですが、ワット数に応じてかたよりの大きさが変わるパターンもあるので、難しいところです。

ばらつきも、今回は1秒ごとの計測を解釈したので、3秒平均や5秒平均を使うと通信のズレが小さくなり、ばらつきも見た目小さくなるかと思います。

 

まあ、ちょっとハッピーメーター気味ですが、LIMITSを外出用パワーメーターとして結構使えそうなので使っていこうと思います。

 


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コメント 2

ぴん

貴重な情報ありがとうございます。
この記事ではLimitsをWahoo elemnt roamを接続されていますが、Zwiftと接続することはできないでしょうか?

Zwift公式の対応パワーメーターブランドリストにはLimitsは存在しませんが、利用可能であれば購入したいと考えております。
by ぴん (2022-09-05 11:05) 

spiranthes

コメント気づかずすみません。
zwift に繋げたことがあります。理屈的にはサイコン経由でできるので。limitsはマイナーすぎて公式は試してないだけかと。
なお、Wahoo ROAMは壊れちゃって(液晶漏れ)、BRYTON Rider450に繋げています。
limitsはペダル取付なので、ネジ径が合えば室内エアロバイクにも取り付けられるので、素足ペダル可能です。zwift にたまにいる爆速ライダーも設定次第で可能かと。
by spiranthes (2023-12-27 15:49) 

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