写真掲載版
犬吠埼にて漂流軽石?の採取 [鉱物]
今話題の漂流軽石を千葉県犬吠埼に行って採取してみました。
2021年11月下旬に銚子あたりで漂流軽石が少しだけ漂着したとのSNSの情報を見つけた。
この軽石は、小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火で発生し、海流に乗って、沖縄に大量に漂着して大騒ぎになっている。そして、黒潮に乗って、太平洋沿いに次々と流れ、千葉の銚子まで流れ着いたというわけである。
といっても、銚子から北の茨城県の海岸沿いは親潮の流れもあるので、軽石の漂着量はそれほど多くないと予想されている。
この漂流軽石の特徴は、灰色が主で、黒いものもあり、特にチョコチップクッキーで例えられる様な黒いツブツブ模様が入っている。
軽石騒動は過去、1986年にも起きており、当時と比べれば、ニュースの伝達速度、情報の流通量、影響の規模は段違いであろう。
ということで、せっかく近くの海岸に流れ着いているなら調査しに行こうということで行ってみました。
コロナのデルタ株感染者数も落ち着き、オミクロン株の水際攻防中の今しか観光のチャンスは無い、そんな想いもありました。
そして、千葉県犬吠埼に来ました。風は寒いが、快晴で気持ちいい!
軽石は水に浮くので、流木やゴミの流れ着くあたりを探せばいいのです。
注意すべきは発泡スチロール、ガラス由来の人工軽石です。
ということで、灰色で、黒いツブツブ模様の軽石を探します。
やはり、シミュレーション通り、この辺りは軽石の漂着は全然ありません。
観光地らしく、ゴミも少なめなので、定期的な清掃活動が功を奏していると感じます。感謝感謝!
結果、漂流軽石と思しき軽石は少ししか採れませんでした。まあ、漁業を考えれば、この程度で済んで良かった。
iPhone13proの接写力はなかなか良い。
さらに、ミラーレス一眼レフとNANOHAという5xマクロレンズで拡大してみると、
泡がすごい!
黒い粒もよく見ると、自系結晶っぽく無くて、全部が泡でした。
6割は石英で、次に長石、曹長石、輝石、角閃石、カンラン石、鉄分、チタン系少々という産総研の報告がある通り、そんな色合いです。
黒いところは黒や、オリーブ色、緑色など曹長石、カンラン石、輝石っぽいのが集まって色づいているのでしょう。
すこし、鉄サビ色部分もあったので、海水で鉄分が錆びたのかもしれません。
泡構造はもう、ふ菓子にしか見えませんね。
思い出として、大切に保管します。
メノウと珪化木 常陸大宮の玉川 [鉱物]
たまたま休みが取れたので、以前から、気になっていた茨城産のメノウを採取したくなった。
そこで、川でメノウが取れる 常陸大宮の玉川 に注目した。
常陸大宮(ひたちおおみや)の玉川(たまがわ)
玉川の玉はすなわち、昔のメノウのことである。玉とは宝石を指した言葉で、中国由来であるが、日本での宝石は赤石などが有名だ。
玉川は火打石として使用できる固い石が取れたことで、万葉集にも記述が載っているくらい有名なメノウの産地だ。
なお、火打石とは、鉄を打ち付けて火花を散らすことのできる固い石のことで、玉川のメノウの他にも各地でいろいろな火打石がある。
今回、ネットで産地をあらかじめ絞り込んだ。あるサイトでは、水郡線と玉川の交差する点から上流の矢口橋までの間での産状が記載されている。駐車場の問題があったため、さらに上流の田中橋付近に駐車可能エリアを見つけた。
さらに上流だと、21号線と玉川が交差するが、とても川に降りれそうにない。
水郡線と玉川の交差ポイントから上流に向かって、橋の名前を羅列するとこうなるー
桜戸橋(さくらとばし)、下矢口橋(しもやぐちばし)、矢口橋(やぐちばし)、村田橋(むらたばし)、引田橋(ひきたばし)、田中橋(たなかばし)、額山橋(ひたいやまばし)。
常磐道から、袋田の滝に続く118号線の途中、常陸大宮で118号から318号線に入ると、玉川と交差する。この橋が引田橋であり、上流には田中橋があり、その付近に「玉川沿岸土地改良区竣工記念之碑」が建てられているところに若干の駐車スペースがある。今回はそこに停めさせていただいた。
上記の記念碑にも、玉川のメノウについて万葉の昔から産地として知られていると書かれていた。玉川はうねった形をしており、水田の水を引く用水路もうねっていたらしく、水引がうまくできなったようである。用水の管理は難しく、漏水や水不足などで農家は徹夜で水曳きを行っていたそうである。そこで、昭和63年から行政が土地の改良の事業を展開したとかかれていた。 こういう記念碑はその土地の歴史が書かれていて面白い。
田中橋は比較的大きめの橋で、護岸工事もされているが、降りやすいタイプだった。2015年10月28日に訪れたが、河川の草刈りが終わってあまり日にちが経っていない様子であった。私が調べたサイトだと、河川の岸からメノウが流れてあちこちに引っかかって落ちるから、大雨のあとや増水のあとが狙い目と書かれていた。が、私はそれはまちがっていると思う。大雨や増水するような時期は、草ボーボーで、とてもじゃないが岸に降り立つなんて不可能だからだ。草が枯れる秋に大抵は草刈りを行政?が行ってくれるので、この時期に探しに来るのが、安全上ベストだと思う。実際、この時は田中橋付近しか草刈りを行っていなかったので、矢口橋付近は岸に近寄るのも困難であった。
岸に降り立つとこんな感じ。
川の様子。藻が枯れて積もっている。
玉川も砂金が取れるらしい。このような藻を優しく払うと砂が見えて来るので、砂金を探す手がかりになるのでは?
試しに藻を払ってみると、いろんな川の虫がいて、ちょっとびっくりしてしまった。
30分ほど、川底の石ころエリアを散策するものの、メノウも珪化木も見当たらなかった。増水後だったらしく、葦が曲がっていた。メノウもどこか遠くに流れてしまったのではないか、そう思わざるを得ない。
諦めて、さて他の場所に移動しようかと岸をのんびりあがって、コンクリから土に変わるところで・・・
ぬ? ヌヌヌヌ!!!!!!!
あ、あったー!
赤いメノウだ!なんか土に埋まっているー
てっきり、川の下の方にあると思ったら、土手に埋まってたのね。
しかし、なんでこんな高い位置に埋まっているんだ?画像下の普通の石も川流れの石っぽいし。よくわからん。
メノウの次は珪化木。もしかしたら、高い位置に珪化木も落ちてないかなーと、しげしげとあたりを見回すと・・・
!!!!!!!!!!!
あるやんけー!
ちょーミラクル!
まさか、メノウと珪化木の両方が近くにあったなんて。
珪化木でかい・・・
シリカ成分はやや灰色の珪化木である。
しかし、誰かが、わざと置いたみたいな感じでなんか変だ。
もしかして、この珪化木、化石と気付かずに、普通の石として捨てられたのか?草刈りで出てきた石なのか?
ちなみに珪化木の右隣の石は、普通の石でした。
上流から下流を見た時の田中橋。こんな高い位置でメノウと珪化木を見つけた。
左:珪化木、右:メノウ
赤いメノウ
珪化木。光に透かすと、赤い模様が見えた。
田中橋で、目的のメノウと珪化木を見つけて満足。せっかくなので、下流の方へ散歩してみる。
ほぼ全ての岸がまだ草刈りを終えてないので、岸がどんな状態なのか藪が邪魔で全く見えなかった。
下矢口橋の近くに地層が見える岸があり、かつ、階段もあったので、見に行ってみた。
上の画像は下流をみた時の様子。
この画像は、上流を見た時の様子。同じ場所なのに雰囲気がやや異なるのはなぜだろう?
メノウらしき石は見当たらない。ボロボロ崩れるような地層だった。
同じ場所であるが、鳥の足跡がたくさん残っていた。
こんな風に恐竜も歩いていたのだろうか?
結局、メノウと珪化木は1個ずつしか見つからなかった。
でも、目的を果たしたので満足。
メノウが蛍光?
採取した、珪化木とメノウに長波紫外線(370nm)を当ててみた。
すると、
メノウの部分が緑に蛍光しているではないか。
メノウもご覧の通り。
この川流れのメノウ、元は珪化木に形成されたメノウである可能性が出てきた。
なお、参考までに下の画像にマダガスカル産アンモナイトの例を載せた。主成分はカルサイトだから、赤橙色いに蛍光するのが予想されるわけだが、実際は他にも緑色の蛍光もみられた。緑の蛍光はなんなのか?
池袋ショー2015 [鉱物]
池袋ショー2015の戦利品
いろいろ買ってしまった(^_^;)
赤鉄鉱(ヘマタイト)の二枚貝化石と、白鉄鉱が赤鉄鉱に置換したエジプトの星と呼ばれる標本です。二枚貝がなんと素晴らしい。
ピンクの板状の束沸石と、鐘乳石状の魚眼石です。インド産で1000円セールにて手に入れました。
今回、奮発して手に入れた山梨県乙女鉱山産日本式双晶。以前から、欲しいと思っていた産地の日本式双晶で、手頃な価格にようやく出会ったのです。乙女鉱山の双晶が論文になったことで、双晶の名前が日本式双晶と名付けられました。原産地標本と呼ばれる特別な標本です。
ロシアのダルゴネスク産日本式双晶のクラスターです。双晶は2つ付いていますが、2つ目は縦になってしまって画像からは識別できません。360°回せれば観察できるのですが。
産地としては、赤水晶で有名な産地ですね。
ブラジルのディアマンチーナ産の水晶です。2つの水晶の柱面は、同時に光を反射し、かつ、2つの柱面のなす角度が84.3°でした。すなわち、日本式双晶です。お店の人は双晶とは気づかずに重さ当たりの値段を提示してきました。家で重さを計ると、102gです。値切って4000円にしました。それでも普通の水晶としては割高な気がしますが、相場はこんなものですかね。ピンクの長石のような鉱物を伴い、また、水晶に内包されています。内包物か、ブラジル式双晶もしくは、ドフィーネ式双晶による影響からか、日本式双晶に特有の板状発達する晶癖が現れずに段差のある、柱状成長を遂げています。日本式双晶っぽくないので普通の水晶として売られていたのでしょう。しかし、日本式双晶の特徴である2つの水晶のなす角度、柱面の平行性、錐面の平行性も日本式双晶の特徴に合致したので、間違いない。
こちらは、日本の岐阜県蛭川の煙水晶です。
最近では、ジャパン・モリオンという愛称が付けらています。国産と言うことで、すごく高い。それでも欲しい訳は、日本式双晶と確信があるからです。角度、平行面をチェックしたらバッチリ。
岐阜県蛭川産の煙水晶。
角度が怪しいと思ったので、双晶の角度ゲージで調べて見ました。
当てはまる双晶はベローダ式双晶でした。
レアな双晶で、国内でもちらほら報告されている程度の認知度が低い双晶です。
いろいろ買ってしまった(^_^;)
赤鉄鉱(ヘマタイト)の二枚貝化石と、白鉄鉱が赤鉄鉱に置換したエジプトの星と呼ばれる標本です。二枚貝がなんと素晴らしい。
ピンクの板状の束沸石と、鐘乳石状の魚眼石です。インド産で1000円セールにて手に入れました。
今回、奮発して手に入れた山梨県乙女鉱山産日本式双晶。以前から、欲しいと思っていた産地の日本式双晶で、手頃な価格にようやく出会ったのです。乙女鉱山の双晶が論文になったことで、双晶の名前が日本式双晶と名付けられました。原産地標本と呼ばれる特別な標本です。
ロシアのダルゴネスク産日本式双晶のクラスターです。双晶は2つ付いていますが、2つ目は縦になってしまって画像からは識別できません。360°回せれば観察できるのですが。
産地としては、赤水晶で有名な産地ですね。
ブラジルのディアマンチーナ産の水晶です。2つの水晶の柱面は、同時に光を反射し、かつ、2つの柱面のなす角度が84.3°でした。すなわち、日本式双晶です。お店の人は双晶とは気づかずに重さ当たりの値段を提示してきました。家で重さを計ると、102gです。値切って4000円にしました。それでも普通の水晶としては割高な気がしますが、相場はこんなものですかね。ピンクの長石のような鉱物を伴い、また、水晶に内包されています。内包物か、ブラジル式双晶もしくは、ドフィーネ式双晶による影響からか、日本式双晶に特有の板状発達する晶癖が現れずに段差のある、柱状成長を遂げています。日本式双晶っぽくないので普通の水晶として売られていたのでしょう。しかし、日本式双晶の特徴である2つの水晶のなす角度、柱面の平行性、錐面の平行性も日本式双晶の特徴に合致したので、間違いない。
こちらは、日本の岐阜県蛭川の煙水晶です。
最近では、ジャパン・モリオンという愛称が付けらています。国産と言うことで、すごく高い。それでも欲しい訳は、日本式双晶と確信があるからです。角度、平行面をチェックしたらバッチリ。
岐阜県蛭川産の煙水晶。
角度が怪しいと思ったので、双晶の角度ゲージで調べて見ました。
当てはまる双晶はベローダ式双晶でした。
レアな双晶で、国内でもちらほら報告されている程度の認知度が低い双晶です。
ブラジル産に大変立派なベローダ式双晶が発見されており、理想的な晶癖の標本となっております。
このモリオンのベローダ式双晶は、理想形とは言い難い。先細りの水晶であるため、c軸を求めるのが困難であり、裏面は双晶なのに太さが異なるため、段差が生じている。段差が出来る理由に、ブラジル式双晶もしくはドフィーネ双晶によるところが大きいと考えられる。実際、c軸双晶の痕跡が観察される。
理想的な標本ではないかもしれないが、写真で見ている側のV字の接合部分の角度、明らかな対称性を持つ接合からして、この面だけは理想的なベローダ式双晶の晶癖が現れていると確信している。
日本式双晶 セプター(scepter)&ドゥルージー(drusy)タイプ マダガスカル [鉱物]
日本式双晶 セプター(scepter)&ドゥルージー(drusy)タイプ マダガスカル
この日本式双晶は全体が軍配型。砂糖をまぶしたかのような細かい水晶が表面を覆い、キラキラ光るドゥルージー(Drusy)で、さらにセプタークォーツ(scepter quartz; 和名 松茸水晶)状にトップが成長した豪華な一品。
大きさは、1.7cm x2.0cmx 0.8cmとまあまあなサイズ。
自然金 愛知県北設楽郡津具鉱山 [鉱物]
本日のHP更新は 自然金 です!
日本は黄金の国と呼ばれるだけあって、自然金が豊富にあるのです。
あるのですが、人件費が以上沸騰しており、かつ、自然金も砂粒が点々とする産状が普通のため、
採掘・濃縮に必要な経費が高すぎて採算が合わず、次々閉山しているのが現状である。
とはいえ、戦国時代から江戸時代までは、戦争の資金源として日本各地で積極的に掘られていたことは確かである。
その時代の金はシルクロードを通ってアジア〜ヨーロッパ各地へ運ばれていた。代わりに鉄砲や西洋文化の一部を購入したのである。
さて、今回紹介する自然金はナゲット(nugget)です。金塊といってもちょっと変わっていて、細かい金の粒が集まってできている。さらに、世界でも稀な水銀を含有する金である。
愛知県北設楽郡(きたしたらぐん)津具鉱山(つぐこうざん)の自然金
1.1cmx0.8cmx0.2cm
肉眼では金らしくないように見えるが、黄色の部分が全て自然金であることは拡大することでわかる。
おまけ。
金を限界まで薄く叩き伸ばした金箔を光に透かすと、なんと、青色に見えるのである。
また、水晶を2,000℃に熱し、真空中で金を薄く蒸着させると、金属光沢を持つ美しい青色に染まる。
この黄金から青色への性質の変化は、金自身の特性によるもので、量子物理的な観点で説明されます。
簡単に言うと、金は塊の時は青色を吸収して、黄色を反射させている。また、金は非常に薄く伸ばされている時や、一定間隔で密に並んでいる時は青色の光を強くして透過、もしくは反射しているため、青色に見える。
そういう性質が金にはあるという理解で良い。
Location: Minas Gerais, Brazil. 金の蒸着によって、青色に染まった水晶。
水晶振動子を鳴らしてみる [鉱物]
2015年5月から3ヶ月近く挑戦してきたことがなんとか成功したので、紹介です。
何やったかって?
水晶振動子の音を聞こうとしたのです。
水晶振動子って、水晶の圧電効果を利用した電子部品で、特定の周波数を発振するのが特徴。有名な利用用途がクォーツ時計です。
圧電効果って、ある素材を叩いたり、押すなどの物理的圧力がかかると、素材から電気が発生すること。逆に、素材に電気を流すと、素材が伸びたり、曲がったり物理運動を行う。水晶が素材の場合、電気を通すと曲がったり、伸縮するなどを繰り返す。
で、水晶振動子はいろんな固有の周波数がある。その中で、人間の耳に聞こえる周波数を持つ水晶振動子が存在する。ただし、今はそのような低い周波数の水晶振動子は作られていない。
そんなアンティークをわざわざ手に入れて、発振させて音を確かめる訳だ。
今回手に入った水晶振動子は、2kHz、5kHz、12kHzの3本。
5kHzの写真はこれ。Western Electric社(Made in U S A) 型式 707A 5.37109 KC(kHz) No.108
中央にある白い板が水晶の板です。
真上から見ると、雲母の板も支えの部品の1つになっています。
この水晶の板は2枚貼り合わせてあります。つまり、Xカットのはり合わせ屈曲運動型の水晶振動子と思われます。Xカットというのは、水晶の板を切り出す際の特定の切り出し方をいいます。水晶の切り出す方向・角度によって、周波数が変化するのです。可聴域の数kHzの場合は、たいていXカットはり合わせタイプなのです。
次に、水晶を振動させる、発振回路を組みます。有名どころはコルピッツ回路なのですが・・・
数kHzの水晶振動子の発振回路の具体例が全然検索でてこない・・・
なにしろ、1960年代にはこの周波数の水晶振動子は廃れていったそうな。
なんとか発見した回路が、
こちら。
http://oaktree-lab.com/resources/files/huge-xtal-osc.pdf
超巨大水晶発振器を作成した「楢ノ木技研」http://oaktree-lab.com/resources/が回路を公開しています。
また、上記の回路を参考に作られたこの動画も参考にしました。https://youtu.be/SuDpfrU5FBo?list=PLu7E7h62nqWboIrI4F_z6ykbL_QKBM3pq
あ
これだけ分かっているなら、余裕のハズ・・・
が、ブレッドボードで回路を組んで見るものの、水晶振動子からは一切音が出ない。
なぜ??
周波数カウンターなんて持っていない。
電子工作なんて、キットをはんだづけした程度の私には、発振回路は荷が重かったのか?
諦めること1ヶ月。
まてよ、そもそも水晶振動子って、真空管じゃん。音なんて、外に伝わる訳ないじゃん。(*後日、すごく小さいが、水晶振動子から音が出ていることを発見した。といっても、キャパシタの容量を色々変えて遊んでいた時に偶然、10kHzの音が水晶振動子から出ていることに気づいた。とても小さい音で、まず、気づかない。真空管なのに真空じゃない(笑)。耳にあてるぐらい近づいても聞き取れない場合もあるので、スピーカーをつけた方が良い。回路が正しければ、水晶なしでも雑音っぽい発振が聞ける。)
なんと、根本が間違っていた。
じゃあ、スピーカーを付けるしかないね。
で、圧電スピーカーをつなげてみたところ・・・
やった!鳴るじゃん!
で、動画にしてみた。
なぜか、2kHzのGECの水晶振動子が、2kHzのほかの4KHz,12kHzの音が出てしまっている。
(*後日、水晶振動子から音が出ることを発見したので、iPhoneの音の周波数を調べるappで、iPhoneを水晶振動子にくっつけたところ、1936.4Hzくらいでほぼ1933.33Hzに近かった。非常に弱いが、12kHzも発生していた。ICチップの相性か、2枚はり合わせ型水晶振動子の性質なのかわからない。)
この現象は水晶振動子の固有の周波数が整数倍になる、オーバートーンという現象。
回路と振動子が合っていないとオーバートーンになる。
この性質を使用して、超高周波を水晶振動子から作ることも可能。
今回の回路図はこんな感じ。
玄人の眼からみれば、きっといろいろ抜けているであろう回路図であるが、とりあえずこれで鳴ったので良しとしよう。
さっきと同じだが、こちらの図の方が見易い。
水晶振動子は英語で、Crystal unitや、Crystal oscillator、Crystal frequency unitという。回路図では、「X-tal」と表記される。
ICチップは東芝のTC4011BPを使用。
ICを使った発振回路として割と知られている回路らしい。
発振をスピーカーで鳴らしてしまえば、iPhoneなどで、音の周波数と強度を調べるアプリがあるので、これで周波数を調べられる。
できれば、周波数カウンターが用意した方が良いだろう。
これが人生初のブレッドボード。半田付けしないから仮組みに最適。
「鉱物レシピ」という本に水晶振動子の音を聞くページが載っているが、なんと、回路図が載っていない。水晶振動子が鳴らず、回路見直しに苦心していた時にこの本が出て、回路図が載っていないことに落胆したのは言うまでもない。
なので、代わりに私が詳しく紹介しました。
みなさんも、もし、水晶振動子が手に入ったら、作ってみてください。
タグ:水晶振動子
そろばん玉石 [鉱物]
8月8日はそろばんの日
ということで、算盤玉石の紹介。
算盤の玉の形を思わせるような形状の玉髄のことを算盤玉石という。
日本の各地で見つかっており、流紋岩に形成されることが多い。
山形県にとっても算盤の玉にそっくりな算盤玉石が採れており、現在は天然記念物指定なので、採集禁止である。
福島県産などで、オパールの算盤玉石が見つかっている。
オパールが最初に形成されて、風化に伴う乾燥が進んで、結晶構造から結晶水が抜けることで、玉髄に変化したと考えられているようだ。
海外でも採れるはずだが、どちらかといえば、大きな塊をスライスしてブルーカルセドニーとして販売されている印象だ。
HPに記載
ドフィーネ式双晶(Dauphine law twin)の右水晶(right hand quartz) [鉱物]
HP更新しました。
その中で、ドフィーネ式双晶の右水晶バージョンを載せました。
また、画像20枚を使って、面の種類ごとに色分けをしてみました。
一般的な水晶の結晶図と比べれば、その違いが分かるはず。
スモーキークォーツの日本式双晶 [鉱物]
今回のHP更新は、
スモーキークォーツの日本式双晶です。
では、ぐるぐるしてみましょう。
うーん、見事なスモーキー。
何となく、この産地は軍配型が多いような・・・
ファーデンクォーツ Faden quartz [鉱物]
本日のHP更新は
ファーデンクォーツ。
ファーデンクォーツを英語で書くとFaden quartzとなる。
Fadenはドイツ語で糸を意味する単語。
ファーデンクォーツの特徴は、糸みたいな白いスジが入っていること。
では、標本を見てみましょう。
典型的なファーデンクォーツ。
見ての通り、板状水晶の中心に白いスジが1本ある。
どうやら、泡のようなもののらしい。
この白いスジに沿って結晶が成長している。
こちらは、母岩つきのファーデンクォーツ。
根元の水晶が白くなっている。
あくまで想像だが、白い石英が一旦溶けて、再び急速に結晶成長したときに残ったものが白いスジの正体ではないかと思う。
ほら、氷だって、昔の冷蔵庫で作ると白い泡が氷の中に出来たよね。それと同じみたいに思える。
しかし、大小ある板状結晶のすべてに白いスジが確認できる。上の想像も当てはまらない可能性はある。
まだこの白いスジの原因は解明できていないのが現状だ。
いつか、解明することを祈るのみ。
タグ:ファーデンクォーツ