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リング入り水晶 [鉱物]


神秘!リング入り水晶
th_IMG_1245.jpg
ブラジル バイア州  ルチル入り水晶(磨き加工)

画像の通り、黒い六角のリングが水晶の中に埋まっています。
リングの上の方にもリングの1/3のなり損ないがあります。

正直、なぜ、こうなったかわかりません。

仮説ならいくつか考えられます。
1. ファントムクォーツ同様の成因である。水晶の成長途中で、黒い鉱物が水晶のふちにリング状にくっつき、その後の水晶の成長で埋もれてしまった。
2.水晶の成長方向とは関係なく、内包鉱物として、リング状に成長した。
3.晶洞中で、水が入り込み、水面と同じ位置に黒い鉱物が結晶して、水晶表面にリング状にこびりついた。

いずれにしろ、リングを内包した水晶はかなりレアものだと思っています。
しかも、水晶が貫入しています。
これを店頭で見つけた時は、一人、ニヤけてました・・・

th_IMG_1246.jpg
角度を変えるとこんな感じ


面白いことに、貫入した水晶の中にもリングの一部がありました。
水晶の成長軸とは関係なしに、大きなリングと平行になっていることが観察で判明しました。
貫入水晶&リング.jpgリング平行.jpg
左:2カ所の貫入水晶(赤丸で示す)の中にリングの一部が見える
右:貫入水晶中のリングは大きなリングと平行(矢印は平行を表す)

貫入水晶&リング向き.png
下方に貫入水晶。リングの向きと水晶のc軸方向が無関係になっている。


以上の観察から、2の仮説(具体性に欠ける)を有力にします。
1,3のファントム系成因だと、結晶のc軸方向とは無関係な点で矛盾してしまうのです。
ファントム系成因を成立させるには、ファントムとしてリングが出来てから、水晶のc軸の方向を大きく変えて水晶が成長したと考えなくてはなりません。

このリング入り水晶の成因は、単純には考えられないほど、複雑で、ダイナミックな変化であると言える。
この水晶を見ていると、何百年、何千、何万年もの変化に富む歴史が刻み込まれていると、そう思わせてくれる。

これだから、鉱物は止められない。

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