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水晶玉のエアリースパイラル観察方法(縦型) [鉱物]

前回、水晶のエアリースパイラルを3Dメガネ+PCモニターで観察しました。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-05-25

今回は、偏光板、1/4波長板でいかに簡単にエアリースパイラルを観察できるか、に挑戦しました。
まずは、一般的な観察装置の模式図を示します。

装置図.jpg

図. 水晶球のエアリースパイラル観察装置模式図


この図で、後に分かったことなのですが、1/4波長板の位置がとっても重要なのです。
とりあえず、このような並びなら、エアリースパイラルは観察できます。

材料:
1. 偏光板2枚
2. 1/4波長板
3. 水晶球

ここから独自なのですが、
4. iPhone(光源として)
5. 水晶球用ガラス台(パワーストーン屋で購入できます)
6. 虫眼鏡(必要に応じて)

すべて並べるとこんな感じ
P6170001_trim.jpg

実験:

模式図では、すべて横並びで観察しますが、今回はあえて縦に並べて観察します。つまり、上から覗き込む姿勢で観察します。これなら、光源を探す必要性はなく、水晶球台のおかげで球を落としてしまう心配が無いのです。
では、順番に写真で説明をします。

P6170002.jpg
1. 光源として、iPhoneの電源をON.
iPhon以外の携帯でも、懐中電灯でもO.K.
あくまで、光源として役に立てば良い。
*携帯の画面は、可能な限り白くしましょう。省エネタイマーを切っておくと長く観察できます。

P6170003.jpg
2. 光源が強すぎる場合、紙を乗せます。トレーシングペーパーやティッシュペーパーでもO.K.

P6170004.jpg
3. 偏光板を1枚乗せます。

P6170005.jpg
4. 水晶球用ガラス台を乗せます。*ガラス製に限った方がよい。プラスチック製だと水晶球のエアリースパイラルが消えてしまうことがあります。要は、光源からの光がきちんと透過すれば良い。

P6170006.jpg
5. 水晶球を乗せます。 *今回は直径1.2 cmの右水晶の物を用意した。

P6170008.jpg
6. 偏光板2枚目を手に持つ。1枚目の偏光板が暗くなるように手に持った偏光板を回転させよう。

P6170012.jpgP6170021_tri.jpg
7.水晶球を回転させて、緑と赤(ピンク)の干渉像が見えるようにします。*黒い線(アイソジャイヤー;消光)が交差する点に干渉像があるので、黒い線をたどるようにして回転させれば、干渉像を見つけ易くなります。1/4波長板を挟むとこのアイソジャイヤーが見えづらくなるので、慣れないうちは、偏光板のみで干渉像をさがす方が良いと思います。

P6170017.jpgP6170022_tri.jpg
8. 1/4波長板を偏光板の下に入れる。エアリースパイラルが観察できるように、1/4波長板を回転させる。写真のようにエアリースパイラルが観察できる。ガラス台はスパイラルには大きな影響を与えないことも分かった。
*1/4波長板の回転について、たいていは偏光板に対して、45°もしくは-45°(315°)で見えるはず。この回転の角度によってスパイラルの形が変化するのも、「なぜ」を考えると興味をそそられる課題である。どうやら、光の波長(色の違い)と1/4波長板の性質が深く関わっているようだ。
**今回の観察でガラス台はエアリースパイラルに致命的な影響はないことが分かった。しかし、他のガラス台については各自で検証願いたい。台の有る無しでそれぞれ観察してみて、ガラス台の影響が余りなければ継続して使用して構わないだろう。とにかく、ガラス台が使用可能ならば、水晶球を置くのにこれほど便利な道具はないのだから、積極的に活用してもらいたい。

P6170027_tri.jpg
9. 必要に応じて虫眼鏡を追加。エアリースパイラルを拡大して観察しよう。
*きちんとスパイラルを観察できたら、手に持っている偏光板と1/4波長板を虫眼鏡にテープで固定すれば、次回からもっと簡単にスパイラルが観察できるでしょう。


さあ、いかがでしょうか。
水晶球観察キットの既製品のほとんどは、模式図の様に「横」観察型です。
今回は、上から覗き込む「縦」観察型です。これを発展させれば、偏光顕微鏡のできあがり・・・
ガラス台が使えるのはかなり便利だと思います。


関連記事
1回目:PCモニターと3Dメガネで水晶球のエアリースパイラルを観察しました。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-05-25
2回目:iPhoneを光源として、縦型のエアリースパイラル観察方法を提案しました。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19
3回目:水晶玉のエアリースパイラル観察 3Dメガネだけで観察!http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19-1
4回目:1/4波長板の位置でエアリースパイラルの向きが逆転してしまう。http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2014-06-19-2
5回目:レンズの焦点距離と水晶と偏光板で観察される干渉圏の半径との関係 http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2015-04-12
6回目:エアリースパイラル4重巻き(水晶板のエアリースパイラル) http://spiranthes.blog.so-net.ne.jp/2015-04-29


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