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メノウと珪化木 常陸大宮の玉川 [鉱物]

たまたま休みが取れたので、以前から、気になっていた茨城産のメノウを採取したくなった。
そこで、川でメノウが取れる 常陸大宮の玉川 に注目した。


常陸大宮(ひたちおおみや)の玉川(たまがわ)

玉川の玉はすなわち、昔のメノウのことである。玉とは宝石を指した言葉で、中国由来であるが、日本での宝石は赤石などが有名だ。
玉川は火打石として使用できる固い石が取れたことで、万葉集にも記述が載っているくらい有名なメノウの産地だ。
なお、火打石とは、鉄を打ち付けて火花を散らすことのできる固い石のことで、玉川のメノウの他にも各地でいろいろな火打石がある。

今回、ネットで産地をあらかじめ絞り込んだ。あるサイトでは、水郡線と玉川の交差する点から上流の矢口橋までの間での産状が記載されている。駐車場の問題があったため、さらに上流の田中橋付近に駐車可能エリアを見つけた。
さらに上流だと、21号線と玉川が交差するが、とても川に降りれそうにない。
水郡線と玉川の交差ポイントから上流に向かって、橋の名前を羅列するとこうなるー
桜戸橋(さくらとばし)、下矢口橋(しもやぐちばし)、矢口橋(やぐちばし)、村田橋(むらたばし)、引田橋(ひきたばし)、田中橋(たなかばし)、額山橋(ひたいやまばし)。

常磐道から、袋田の滝に続く118号線の途中、常陸大宮で118号から318号線に入ると、玉川と交差する。この橋が引田橋であり、上流には田中橋があり、その付近に「玉川沿岸土地改良区竣工記念之碑」が建てられているところに若干の駐車スペースがある。今回はそこに停めさせていただいた。
上記の記念碑にも、玉川のメノウについて万葉の昔から産地として知られていると書かれていた。玉川はうねった形をしており、水田の水を引く用水路もうねっていたらしく、水引がうまくできなったようである。用水の管理は難しく、漏水や水不足などで農家は徹夜で水曳きを行っていたそうである。そこで、昭和63年から行政が土地の改良の事業を展開したとかかれていた。 こういう記念碑はその土地の歴史が書かれていて面白い。

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田中橋は比較的大きめの橋で、護岸工事もされているが、降りやすいタイプだった。2015年10月28日に訪れたが、河川の草刈りが終わってあまり日にちが経っていない様子であった。私が調べたサイトだと、河川の岸からメノウが流れてあちこちに引っかかって落ちるから、大雨のあとや増水のあとが狙い目と書かれていた。が、私はそれはまちがっていると思う。大雨や増水するような時期は、草ボーボーで、とてもじゃないが岸に降り立つなんて不可能だからだ。草が枯れる秋に大抵は草刈りを行政?が行ってくれるので、この時期に探しに来るのが、安全上ベストだと思う。実際、この時は田中橋付近しか草刈りを行っていなかったので、矢口橋付近は岸に近寄るのも困難であった。
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岸に降り立つとこんな感じ。
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川の様子。藻が枯れて積もっている。
玉川も砂金が取れるらしい。このような藻を優しく払うと砂が見えて来るので、砂金を探す手がかりになるのでは?
試しに藻を払ってみると、いろんな川の虫がいて、ちょっとびっくりしてしまった。

30分ほど、川底の石ころエリアを散策するものの、メノウも珪化木も見当たらなかった。増水後だったらしく、葦が曲がっていた。メノウもどこか遠くに流れてしまったのではないか、そう思わざるを得ない。

諦めて、さて他の場所に移動しようかと岸をのんびりあがって、コンクリから土に変わるところで・・・
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ぬ? ヌヌヌヌ!!!!!!!
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あ、あったー!
赤いメノウだ!なんか土に埋まっているー
てっきり、川の下の方にあると思ったら、土手に埋まってたのね。
しかし、なんでこんな高い位置に埋まっているんだ?画像下の普通の石も川流れの石っぽいし。よくわからん。

メノウの次は珪化木。もしかしたら、高い位置に珪化木も落ちてないかなーと、しげしげとあたりを見回すと・・・
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!!!!!!!!!!
あるやんけー!
ちょーミラクル!
まさか、メノウと珪化木の両方が近くにあったなんて。
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珪化木でかい・・・
シリカ成分はやや灰色の珪化木である。

しかし、誰かが、わざと置いたみたいな感じでなんか変だ。
もしかして、この珪化木、化石と気付かずに、普通の石として捨てられたのか?草刈りで出てきた石なのか?
ちなみに珪化木の右隣の石は、普通の石でした。
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上流から下流を見た時の田中橋。こんな高い位置でメノウと珪化木を見つけた。

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左:珪化木、右:メノウ

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赤いメノウ

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珪化木。光に透かすと、赤い模様が見えた。

田中橋で、目的のメノウと珪化木を見つけて満足。せっかくなので、下流の方へ散歩してみる。
ほぼ全ての岸がまだ草刈りを終えてないので、岸がどんな状態なのか藪が邪魔で全く見えなかった。
下矢口橋の近くに地層が見える岸があり、かつ、階段もあったので、見に行ってみた。
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上の画像は下流をみた時の様子。
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この画像は、上流を見た時の様子。同じ場所なのに雰囲気がやや異なるのはなぜだろう?
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メノウらしき石は見当たらない。ボロボロ崩れるような地層だった。
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同じ場所であるが、鳥の足跡がたくさん残っていた。
こんな風に恐竜も歩いていたのだろうか?

結局、メノウと珪化木は1個ずつしか見つからなかった。
でも、目的を果たしたので満足。

メノウが蛍光?
採取した、珪化木とメノウに長波紫外線(370nm)を当ててみた。
すると、
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メノウの部分が緑に蛍光しているではないか。
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メノウもご覧の通り。

この川流れのメノウ、元は珪化木に形成されたメノウである可能性が出てきた。

なお、参考までに下の画像にマダガスカル産アンモナイトの例を載せた。主成分はカルサイトだから、赤橙色いに蛍光するのが予想されるわけだが、実際は他にも緑色の蛍光もみられた。緑の蛍光はなんなのか?
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